入浴中にグニャリとなる理由はハッキリ分からなかったが、毎回眠そうにしていた。もしかしたら、あまりの眠たさに体に力が入らないの?子供が突然ウトウトしだすことは珍しくない。と主治医にも言われたので、入浴時間を変えてみた。
いつもは、だいたい6時頃だったのを4時頃にした。しかもその前に、しっかり昼寝をさせる。これで、眠たいとは言わせない!
すると次第にその現象は消えていった。何だったのだろう?どこか、引っかかりながらもとりあえずは良しとする。

平成17年12月31日(大晦日)
まさに大晦日。大掃除もラストスパート!と気合を入れつつ朝食をとっていた。すると、ぴょんが天井を見てやけに笑い出した。とても楽しそうに。ぴょんには誰かが見えていて、その誰かにあやされているかのようだった。嫌〜な予感・・・
次の瞬間、ぴょんがグニャっと頭から床に倒れた。座っていたので、怪我はなかったが、口にご飯を入れていたので詰まらせてはいけないと慌てて口を開こうとしたが、食いしばって開けられない。これは、ひきつける!!と思った。久しぶりにひきつけるのかと思うと、経験があるとは言え緊張した。でも、ぴょんの体はいつまでたってもグニャグニャのままだ。よく聞くと小さな声?息?「うーーーーー」と言っている。
 笑い出してから1分ほどの出来事。グニャリは30秒ほどだったと思う。その後はビックリしたように泣き出した。抱きかかえると眠そうな目をした。まだ、起床して一時間。普通からすれば眠たいはずのない時間だ。
 こういうのは初めてだった。・・・とその時は思っていた。
発作なの?半信半疑のまま、大晦日だし。というのもあり様子を見ることにした。その日は別段かわった様子はなかったが、私たちは緊張のあまり年を越す瞬間もソワソワしていた。気がついたら新年だった。なんという年明けだ。今年はどうなるのか?と新年早々不安一杯のスタートをきる。

それから4日後。また笑い&脱力。
その日も起床して一時間ほどたってのことだ。またも朝食中。
今度は子供用の食卓のイスに座っていた。私が冷蔵庫に向かったその時、主人が私を呼び止めた。見るとすでにぴょんはグニャっとなっていた。今度はニヤニヤしている。まるで背骨がなくなってしまったようにグニャーとなり、後ろ向きにイスから落ちそうになり慌てて受け止める。
時間にして30秒ほど。またうーーーと苦しそう。そしてすぐに睡眠。これは絶対に発作だ!そう確信し、すぐに主治医に診てもらうことにした。
 今度は主人と病院に向かった。主人が主治医と話すのは、これが初めて。今までも入浴中にグニャリとなることがあったが、主治医は発作とは認めなかった。今回も私の心配のしすぎから、見立てちがいでは?と思われてしまった。でも、主人と来たことが正解だった。主治医は主人の話には耳を傾け、結果発作であろうと診断することになる。私のことは、あまり信用がないのだろうな・・・と少し落ち込んだ。
たしかに、しょっちゅう心配しているけれど。

デパケン増量となる。
でも、笑い発作・脱力発作となると今まで診断されてきた「特発性全般てんかん」ではなくなるそうだ。→これは、将来服薬しなくても発作を抑えられるようになる可能性が高いと言われてきた。
そうではなくなる?どういうこと?
「複雑部分発作」と告げられた。つまり、服薬では発作をコントロールすることは難しく、将来発作を抑えられる確率も低いと・・・・
なんてこと!私たち夫婦は絶句した。
一生治らない・・・発病時に想像はしてみたものの、実際医師に言われてみるまでピンとこないものだ。
デパケンは増量したものの、この薬は全般発作に特に効力があるとされる薬らしく、複雑部分発作になると第一選択薬はデクレトールだという。でも、複剤となると、薬同士が喧嘩をしてしまいお互いの効力を落としてしまうこと、副作用も強く出ること。から、できるだけ単剤でいきたいと、主治医は話してくれた。
今回、デパケンを増量して、それでも発作が頻発するようだったら、血中濃度ギリギリまで増量し、それでも駄目であればデクレトールとの複剤になる。という方針になった。
「全般発作のデパケンで発作は止まりますか?」
率直に聞いてみた。
「うーん。難しいかもしれないね」

どうか!デパケンで抑えられますように!!わらをも掴む思いだ。

翌日から増量スタート。
しかし、その日も発作はある。
結局、増量してからも3日は毎日発作があった。
それがピタリと止まった!あれ?止まったの?
でも、発作は笑い発作と脱力発作。ぴょんが笑うたびに私たちは眉間にシワを寄せ、ドキドキしながら観察した。
ぴょんはきっと、楽しくて笑っているだけなのにパパもママも怖い顔して見つめてる。良くないよなぁ、と思いつつも緊張を隠しきれない。

毎日のように発作が頻発していたのが、治まって今日で2週間(1月21日現在)。どうかこのまま!どうか!と願ってやまない毎日です。


平成18年1月6日 セカンドオピニオン
主治医の紹介状でK大学の小児科・脳神経の先生に診てもらう。
心電図→異常なし 脳波検査→前頭葉と頭丁葉に徐派が出ているのが気になるが、異常とまでは言えないらしい
 医師曰く、複雑部分発作に間違いないが、どうも笑い&脱力発作というのが引っかかる様子。
脳腫瘍や脳の石灰化でも、このような発作が見られるので、MRI検査をすることに。でも予約が埋まっているので、翌月までの予約待ちとなった。
最後に、@発達に遅れがあることA左右差があったことB出生1ヶ月で寝返りそうなほど反り返っていたこと
これらから、出産時に低酸素があったかもしれないと言われた。
でも、今更そのことを立証することは不可能なので、あくまでも推測に過ぎない。とにかくMRI検査をしてみなくては・・・

平成18年1月22日 発作再発
増量を始めてから2週間、発作は消失していたけど残念ながら再発。
入浴後着替えを嫌がるぴょんが、突然無抵抗になる。見ると壁を見てヘラヘラ笑っている。(30秒ぐらい)
そして突然無表情になる。すでに寝かせてあったので、脱力があったのかは分からなかったけど、手足を触るとまるで力が入っていなかったので、恐らく脱力発作。
目がウツロで呼びかけにも反応しない。口がムニャムニャ?ぺチャぺチャしていた。あっ!自動症だ・・・と思った。
2分ほどで徐々に動き出す。でも自力で起き上がることは出来ない。
ぐずりだしたので、ジュースを飲ませた。すでに目が閉じかかっていて眠たそうだったので、すぐに寝かせる。夜中2時まで睡眠し、突然ムックリ起きた。簡単な食事をさせると、またすぐに睡眠。


平成18年1月31日 また増量
発作があったことから増量となる。朝2ml−昼1ml−晩2mlから2ml−2ml−2mlになった。
初日は副作用からかボーとなっていたけど翌日からはシャキッとなっていたので、ちょっと安心した。
とにかく早く2月のMRI検査をしたい!一年前にして異常なかったけど、ここにきて異常が見つかることもあるらしい。発作の形からしたら症候性に近いんじゃないかな?主治医はあくまでも分からないと言う。100%じゃないと、なかなか診断的なことは言えないんだろうな。
また不安な毎日が始まるんだ・・・


ここまでが、ぴょんの「あゆみ」です。
これからも、更新していきますので、よろしくお願いいたします。
ここまで、私たち家族がやってこれた背景に、たくさんの友人・医師・親戚・家族の支えがありました。私たちだけでは、とても這い上がることは出来なかったと思います。
毎日が感謝です。
そして、こうやって子供たちが生きていてくれること、暖かい部屋で暖かいご飯を食べ、暖かいお風呂に入り、暖かいお布団で眠ることが出来ること。外に出て風にあたる事が出来ること。平凡な生活がどんなに幸せか・・・!感謝です。
入院すれば、すぐに駆けつけてくれる友人。一緒に泣いてくれる友人。凹んでる時にいつも電話をくれる友人。いつも私たち家族を気遣ってくれる友人。離れていても、いつもあなたたちに感謝です。
何より、子供たちが私たちを親に選んで生まれてきてくれたこと。子供たちに出会えたことに感謝です。
そして、ぴょん。あなたに、たくさんのことを学びました。世界が平和でありますように。そんな事を考えさせてくれたぴょん。大好きなぴょん。
私たちが教えてもらった「感謝」を全てあなたに伝えたい。どうか、どうか、悲しい出来事があっても力強く立ち上がり、そしていつも暖かい気持ちでいれますように。私たちが生きている間に、そのすべを教えていけたら、と願っています。


トップページへ
ページ 
  

直線上に配置