てんかん
てんかんとは?
無熱性のけいれんがあっても一回限りの発作であれば、脳波に異常があったとしても「てんかん」とは診断されません。発作が二回以上あれば、たとえ脳波に異常がなくても「てんかん」と診断されます。
なんらかの原因で脳内の電気回路に異常が起こり、まるでショートしたように大きな電流が流れてしまいます。それが体の色んな部分で発作として現れるのです。
日本国内のてんかん患者は150人〜200人に1人。100人に1人とも言われています。そう考えると、珍しい病気ではありません。学校でも学年に一人はいる確率です。きっと驚かれるでしょうね。私もそうでした。だって、周りにいないんですもの。いいえ、違います。知らないだけなのです。残念なことに、てんかんに対する昔からの勝手な偏見が今も強く、なかなか「てんかん患者」だということを告知するには、生活しづらい世の中なのです。
てんかんだった偉人たち
歴史上の人物でもてんかんだった可能性が非常に高い人達がいます。てんかんが、いかにありふれた病気であるか想像できます。
その中でも、てんかんであることがまず疑いのないとされてる人達です。
ジュリアス・シーザー フローベール ドストエフスキー ゴッホ フローレ・ ジョイナー エリザベス・テイラー
てんかんの種類
まず、大きく二つに分けられます。脳内の電気ショートが脳の一部から起り始める「部分(局在関連性)てんかん」と、いきなり脳全体が電気ショートする「全般てんかん」です。
もう一つの分類方法は、原因や障害がハッキリわかっているかどうかです。
検査をしても原因が分からないものを「特発性てんかん」といい、脳の形や働きが損なわれてるといったように原因が分かっているものを「症候性てんかん」といいます。
これら二つとは別に、脳に原因となるものが潜んでいる疑いがあるものを「潜因性」といいます。
これらを組み合わせてできた分類が次のようになります。
○「特発性部分てんかん」
○「症候性部分てんかん」
○「特発性全般てんかん」
○「症候性全般てんかん」
また、これらに当てはまらない、てんかんもあります。
てんかんおよびてんかん症候群の国際分類
★局在関連性(焦点性、局所性、部分性てんかんおよび症候群)★
1 特発性(発病時期が年齢に依存する)
2 症候性
前頭葉てんかん 側頭葉てんかん 頭頂葉てんかん 後頭葉てんかん
3 潜因性
★全般てんかんおよび症候群★★★★★★★★★★★★★★★★
1 特発性
良性家族性新生児けいれん 良性新生児けいれん
乳児良性ミオクロニーてんかん 小児欠神てんかん
若年欠神てんかん 若年ミオクロニーてんかん
覚醒時大発作てんかん 特異な発作誘発様態をもつてんかん
上記以外の特発性全般てんかん
2 潜因性あるいは症候性
ウェスト症候群(点頭てんかん) レンノックス・ガストー症候群
ミオクロニー失立てんかん(ドゥーゼ症候群)
ミオクロニー欠神てんかん
3 症候性
★焦点性か全般性か決定できないてんかんおよび症候群★★★
1 全般発作と焦点発作を併有するてんかん
新生児発作 乳児重症ミオクロニーてんかん
徐派睡眠時に持続性きょく派を示すてんかん
獲得性てんかん性失語
上記以外の未決定てんかん
2全般性あるいは焦点性のいずれの明確な特徴を欠くてんかん
★特殊症候群★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
1 状況関連発作
熱性けいれん
発作の種類
全般発作
*欠神発作=突然意識を失いボーとなり、また突然意識が戻る
*ミオクロニー発作=突然全身がピクンとする一瞬の発作。意識は保たれてる
*脱力発作=糸でつられたマリオネットの人形が、一挙に糸を切られたかのように全身の力が一瞬でなくなりドサリと床に倒れる。
*強直発作=体の筋肉がいっせいにギュッと硬くなる。
*間代発作=ガクガクと全身がリズミカルに大きく震える。
*強直間代発作=全般発作の中で最大規模の発作。いきなり強直発作が始まり、これに連なって間代発作がみられる。
部分(焦点、局所)発作
*単純部分発作(意識障害はない)
@運動症状を伴うもの
A体性感覚あるいは特殊感覚症状を伴うもの
B自律神経症状を伴うもの
C精神症状を伴うもの
*複雑部分発作(意識障害がある)
@単純部分発作で始まり、意識障害を来すもの
A初めから意識障害があるもの
*二次性全般化発作
@単純部分発作が全般発作に発展するもの
A複雑部分発作が全般発作に発展するもの
B単純部分発作が複雑部分発作を経由して全般発作に発展するもの